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浅葉克己 Katsumi ASABA
アートディレクター/1940年神奈川県生まれ。
桑沢デザイン研究所、ライトパブリシティを経て、75年浅葉克己デザイン室を設立。サントリー、西武百貨店、ミサワホーム等数々の広告を手がける。日宣美特選、日本宣伝賞、東京ADC賞グランプリ、紫綬褒章など受賞多数。東京ADC委員、東京TDC理事長、AGI(国際グラフィック連盟)会員、東京造形大学・京都精華大学客員教授。中国の象形文字「トンパ文字」に造詣が深い。卓球六段。
楽天世界遺産劇場のデザインについて
 今回、楽天世界遺産劇場のロゴを含むクリエイティブを作るとき、まず、文字は縦組みで「世界遺産劇場」としたかった。そして、浅葉文字で。浅葉文字というのは、これは楷書で、僕はずっと書き続けているんだけど。楷書っていうのは、一番最後に出来た書体で、漢字の正しい清書体なんです。それを書くことによって、漢字・文字の美しさを自分の体内に取り込んで、それを通してデザイン化したというものが浅葉文字なんですよね。そして、それをどうしても書きたくて。で、縦書きがいいんじゃないかと。
  世界遺産というのは、聖地ですからね。礼儀というものがありますから。聖地が持っているシンボルを抽出して。例えば、去年制作した「紀伊山地の霊場と参詣道」のパンフレットでは、那智の滝を自分で撮影しています。さらに、熊野神社にお札に使われている、烏(カラス)文字という非常に不思議な文字を、ありがたいことですが、使わせてもらっていますね。 
  また、デザインをする前には、必ず1回はその場所に行ってみます。聖地が持っている力から、何かを発見したいなといつも思っています。今回の白川郷では、七福神を取り上げていて、こういったあまり知られていない行事、次元を超越した、今までに見たことのないものを追求していきたいと思っています。通り一遍の世界遺産の捉え方ではなく、新しい表現の仕方をしたい。姫路城の時は、お城として一番綺麗ですけれども、姫路城の写真の上に月のデザインをしていて、月そのものを写真として撮っちゃうと小さく見えちゃうから、月をデザイン化して、バーンと印象的な感じをつくっています。世界遺産だけでも素晴らしいけれども、楽天世界遺産劇場は、そこに劇場を作って、色んなアーティストが発表する。そこに、最高の舞台・感動があるのではないかと思います。

デザインを通し伝えたいもの
 僕は地球文字探検家で世界中歩いて周ってみているけれども、世界から見ると、日本全部が世界遺産みたいなところで本当に美しいと思います。その中でも選りすぐった場所が、世界遺産であり、今回の白川郷だと思います。デザインをするときは、世界から見た、日本の遺産というのを常に意識しています。必ず世界と日本というのを比べてみて、そこから日本の美しさというものをデザインを通して表現したいと思っている。日本人ですからね。デザインというのは海外から入ってきているけれども、日本にも元からあったものだし、それに東洋のデザインというものを合体させて、新しい未来のデザインを作りたいなと思っている。いつも、過去・現在・未来というのを意識して、過去をどうやって未来に表現していくかというのを考えている。特にデザインというものに関しては、未来にどうやって伝えていくかということが重要だと思っていますから。

楽天へのメッセージ
 楽天に関しては、野球とかスポーツも頑張っているし、文化の両立もされていて、それが素晴らしいと思っています。文化に力を入れようと思っても中々長続きしないものだし。ちなみに、僕自身は、時間が中々ないこともあって、古本とか旅行とかその辺で売っていないものは、楽天で探していたりしますよ。先日も、大変貴重なパウル・クレーのノートも楽天ブックスで見つけました(※近代的デザイン建築学校バウハウスにおいて教授として勤めていたこともある、抽象美術の草分けの一人)。本当、野球は是非優勝して欲しいですね。巨人ファンなので、パ・リーグでは、ですけど(笑)。野球を応援しつつ、文化にも力を入れていって欲しいと思います。
いいことの両面を持っている企業だから、これからももっとこういった事業に力を入れていただき、沢山の方から応援してもらえる企業になってくれればと思います。

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